ひたちなか(旧勝田)市役所本庁舎完成画像

ひたちなか(旧勝田)市役所庁舎の完成時の画像を公開しました。

(市報かつた昭和45年5月25日号)

市役所行政棟 市議会議場棟が完成

勝田市東石川1370番地に新しい市庁舎が完成しました。この市庁舎は、市役所行政棟と市議会議事堂からなるもので、建設面積は行政棟が地上3階地下1階の4782.65平方メートル、議事堂が地上2階の1688.97平方メートルです。
この建設工事費は、3億9457万5000円。このほか6月中には付属棟として現業棟、厚生棟、軽車両置場などが建設されるほか、敷地内整備工事などが行なわれ、総工費は5億8470万7320円に達します。
これら総工費の財源は、市債が1億8500万円、基金が1億680万4000円、一般財源が2億9290万3320円となっています。
この新庁舎は、市民のみなさんの”家”としてご利用いただくわけですが、いままでのせまいうえに分散していた庁舎にくらべると施設、機能などあらゆる点ですぐれています。このため、市民のみなさんのご利用に対しても、いちだんとサービスを向上させることができると思います。事務は6月1日から行ないます。

一日記者

新庁含を「市民の眼」で点検していただこうと、市報かつたでは5月16日、勝倉の菊池喜代さん(主婦・文芸クラブ〈道芝〉会員)に一日記者をお願いし、川又市長とともに視察していただきました。菊池さんは、この視察の結果「市民のための理想的な庁舎ができてうれしい。市民ホールなど、ほんとうに市民のためにつくられたことがわかります。議事堂も立派で、真の市民のための政治が行なわれることを期待します」と語りました。以下、当日の視察のなかでの市長との一間一答をご紹介します。

すばらしい市民ホール
〈新庁舎正門で〉

【菊池】ここに立って見ると、緑の環境がとってもすばらしいのですが、敷地はどのくらいあるのですか。
【市長】20717.36平方メートルあります。欲をいえば、33000平方メートルほしかったですね。
【菊池】駐車場もできるのですか。
【市長】駐車場はもちろんできますよ。市民のみなさん専用のものと職員専用のものと二つできるわけです。
【菊池】ここから見ると、玄関がちょっとわかりにくい感じがしますが……。
【市長】たしかにそんな感じですね。これについては、設計者、工事者と相談して適切な措置を講じます。
【菊池】車寄せの門柱のアイディアはいいですね。
【市長】これは勝田だけの独特なものです。雨が降っても、ぬれないで議事堂へも行けますし、車にも乗れます。

〈市民ホールで〉

【菊池】ここは大変ひろびろとしていますね。窓口事務は全部ここで処理できるわけですね。
【市長】そうです。とくに、この市民ホールの設計には気を使いました。何と言っても、市の主人公は市民のみなさんであり、市民のみなさんのための市役所をつくるということで、このホールには力を入れたわけです。ここではお茶を自由に飲める施設のほかタバコの自動販売器、カラーテレビ、市議会実況放映のビデオテレビなども置きます。
【菊池】それは大変すばらしいですね。市民が一番足を運ぶのは窓口関係の課ですし、それがここでほとんど全部処理されるほか待ち時間などが有効に使えるようになるのはよいことです。あの番号盤は何ですか。
【市長】(市民課窓口の宙空にある番号盤を指さして)これはお客さんの事務が終了したことを告げる番号盤で、これを見るとお客さんが自分の頼んだ事務が終わっているかどうかわかるわけです。
【菊池】なるほど、それは便利ですね。一階には窓口関係課のほかにどんな課がありますか。
【市長】市民相談所、福祉事務所、衛生課、水道都などがありますこれらはいずれも、市民のみなさんに直接関係する事務を担当しているので、一階に配置したわけです。

〈二階で〉

【市長】二階は主として管理都門の課を配置しました。ここには、市長室、助役室をはじめ、企画室関係、総務部関係の各課があります。
【菊池】二階から議事堂に行けるわけですね。
【市長】そうです。議会との連絡は市政運営のため非常に大切ですから、場所的にも管理部門が二階に来たわけです。
【菊池】会議室なんかも十分取ってあるのですか。
【市長】二階には会議室が二つと、応接室があります。そのほか会議室としては、議事堂の一階に大きなものがあります。300人くらいは楽に入れるものですから市民のみなさんにも利用していただけます。

〈三階で〉

【菊池】ここには建設部門などがあるのですね。
【市長】そうです。そのほか経済部の農政課、商工課があり、教育委員会と農業委員会もあります。
【菊池】そういう意昧では、この二階も大変市民に関係の深いところですね。
【市長】そうですね。将来はエレベーターをとり入れて、市民のみなさんが来やすくなるようにしたいと考えています。
〈議事堂で〉
【菊池】これはまた大変立派な議事堂ですね。
【市長】そうですね。お金も1番かかりました。わたしの考えでは議事堂は金がかかっても独立庁舎にして、市政の殿堂としての機能を持つべきだと思うんです。地方政治の根幹ですからね。
【菊池】議員のみなさんも、この立派な議事堂にふさわしい市民のための審議を展開してくれるでしょうね。
【市長】期待したいですね。

市庁舎の完成おめでとう

親切丁寧な窓口事務を

青葉若葉の風かおる初夏六月、わたしたち待望の新庁舎建設が竣工し、一日から事務をとることになったそうで、まことにおめてとうございます。
市政施行以来15年、当時、3万余の市民も倍増していまや6万4千となり、県下有数の大産業都市にふくれあがって、産業の発展と市政の進展は実に見るべきものがあります。33億円近い年間予算を可決して、隆々として発展しつつある勝田市にふさわしい新庁舎は、議事堂を加え、豪壮モダンな偉容を示すことてしょう。
狭小な旧庁舎から明朗な新庁舎に移る職員のみなさんの心も明るくはずみ、事務も大いに進捗することと信じます。この際、市民に対して親切丁寧、とくに窓口事務など、みなさんに現しまれる、いわゆる内容外観ともに卓越した市役所になるようお願いします。(農業・馬渡)

市民との心のつながりを

木々のみどりが、五月の空にくっきりと伸びている林の一角、アスファルトの舗道がスーッと一本幅広く展開したその先に、近代建築技術の集成と思われるような建物が目をとらえました。これが新庁舎。
わたしは事前に”市報かつた”で知った庁舎の完成図から心に描いていた建物は、もっと角張ったとりつきにくいものてした。それがいま目の前にある建物にたいして威圧感はなく、むしろ親しみに近いものを覚えました。季節感からくるさわやかさかもしれないがまた当然要求される必要な要素でもあります。それは、市の代表建物であり、市民が抵抗なく出入り出来るところでなくてはならないから。
中に入って目についた展示コーナーの色調が美しい。階段のわきの丸くくり抜かれた表飾窓の感覚のよさ、このまま美術館にすればさぞかし名画も価値を発揮するだろうと、ひとり身勝下な想像をしてみました。
コンピューター時代といわれるとき、事務処理の能率は向上されるかもしれないが、市民との心のつながりを失なわない場であって欲しいと、一市民としての願いをひそかにつぶやいています。(主婦・共栄町)

スピーディーな行政を

新市庁舎の完成、おめてとうございます。心からお喜び申し上げます。いままでの狭小粗悪な建物の中でのお仕事、ほんとうにご苦労さまでした。
近代的建物のなかでの理想的な各課配置が行なわれ、そのなかで行政事務が行なわれるわけてすがおそらくルールにしたがった、しかもスピーティーな行政がなされるものと思います。
ところで、現在は高度な経済成長がなされています。しかしそのかげには、零細農家、零細企業家がいることを知っていただきたいと思います。また、雨もり、穴のあいた床の教室で援業をうけている児童のこと、米軍水戸射爆場の間題など、解決しなければならないことが山積みしていることも忘れないてください。そして、新庁舎にがっちりと腰をすえ、文明都市・工都勝田の建設に万全を期していただきたいと思います。(洋服仕立業・稲田)

新鮮な和服の装いで

新市庁舎完成おめてとうございます。もえる若葉とともに生まれた新市庁舎を、6万の市民が待ち望んておりました。
職員のみなさんも、移転がすんで新しい机に座ったとき、さぞ安心なされることと思います。
日本人は、帯をキュッと結び、和服を着ると気持まで新鮮になるということを耳にします。たとえにしてはおかしなものですが、同じことだと思います。これからの勝田市の発展は、それこそはかり知れません。人もますます増加していくでしょう。そんな限りない未来を持つ現在、新市庁舎完成を目の前にして、わたしは一勝田市民であることを誇らしく思います。こうしていても、広く新しいカウンターの前を行きかう人たちが目に浮んでくるようです。
六月の朝一番に、新市庁舎のドアを押して「お願いします」と入っていくのはだれでしょうか?(銀行員・枝川)

”容器”よりも内容を

庁舎ができた。6億円もの巨費を投じたというだけに、なるほどデラックスなものだ。市民サービスの向上、事務の合理化という建設の1つのポイントについてもこれまでのつぎはぎ庁舎にくらべれば格段の差ががあるに違いない。
とくに新舎庁玄関わきの市民ホールは、余裕もかなりとられ、また各窓口がホールをくるり囲んで作られているのがいい。現庁舎のゴミゴミとして狭苦しく、しかもわれわれ市民が一段低い”土間”から各課の事務を”お願い”しなければならなかった”待合室”より、ずっと”市民的”だ。市議会議場も広々として素晴しい。しかしここで付言しておかなければならないと思うのは、これはあくまて”容器”だけの問題だということ。サービス向上にしろ、事務の合理化にしろ、根は市職員の意識にかかっている。極端な話、たとえ待合室が多少狭くても、市民には職員の親身な窓口事務がありがたい。小はそんな窓口のことから、大は広く市政全般まて、新庁舎に恥じない市行政を望みたい。(新聞記名・表町)

清水建設株式会社 市庁舎建設作業所長

騒音と排気ガスの東京から、この緑の町・勝田市に来てから早や一年余の月日が流れました。いまここに再び迎えた五月。緑のなかに新庁舎が完成いたしましたこと市民のみなさん方に心からおよろこび申しあげます。わたし自身としても、この工事に参加できましたことを、生涯の感激と思っています。
この庁舎は、駅前大通りに面ししかも前面に由緒ある神社と山林をもち、敷地周囲には全外周道路を設けるという他市庁舎にはまったく類をみない完璧な環境にあります。将来の人口増加にともなう増築までも十分に考慮されたものであり、そのすぐれた計画性と、それを実行に移された市の関係各位の英断と、それを支援された市民のみなさんにあらためて敬意を
表したいと思います。
さて、この建物の特徴を二、三ご紹介しましょう。
この建物は、砂利層地盤のうえに建つ鉄筋コンクリート造り・5階建てのうちの第一期分・3階建て部分と鉄骨造り・ALC版(発泡コンクリート版)の組み合わせ工法でつくられたものです。とくに三階建て部分はP・C工法(橋げたなどに使われている工法)と言って、18メートルの梁間に柱が無いという非常に広々とした、明るく居心地のよい建物です。また、1000平方メートルの市民ホールも、その広さにもかかわらず反射音のまったくない消音・断熱工法がとられており、完成時の現在、その工法のむずかしさと苦労を忘れさせてくれるほど機能的効果が十分に発揮されています。
市民ホール床は、舗石タイル模様ばりで、特注色の波ばりてす。この波ばりのために、大洗の砂浜に波が押し寄せるような感じを出すのに、何度も海岸に足を運んだものでした。
議事堂は、一階に委員会室があり「動く壁」といわれるスライディング・ウォール・ドアを取りつけ、その用途によって大小の部屋にして使いわけできるようになっています。二階の議揚は、空調完備し、変わったテザインのシャンデリアは落ちついた雰囲気をいっそう引き立たせています。議場床のジュウタンの下には、パネル・ヒーティングという特殊保温装置が設けており、長時間の議会で足もとから冷えてくるという従来の欠点をとりのぞいてあります。
また市庁舎には本館にバックグラウンド・ミュージックの放送設備があり、軽音楽を聞きながら、明朗、清潔ななかで業務が遂行できるようになります。この近代的な市舎庁は、市民のみなさんに喜んでいただけるものと確信しています。
思えばわたしたちは、市内にそびおえる90メートル余の日立製作所水戸工場のエレべーター試験塔と、この市庁舎の一つの歴史的な建物を施工させていただいたことになり、いっそう新たに勝田市が思い出深い都市になりました。最後に、この工事期間中に寄せられたみなさん方のご指導とご厚情に対し、心からお礼を申し上げるとともに、工事のためにご迷惑をおかけしました近所の方々にはおわび申しあげます。
勝田市のご発展をお祈りいたします。

市民のための庁舎として 市長 川又敏雄

市民のみなさんのご理解とご協力によって、新庁舎が完成しました。市庁舎は何よりもまず、地域社会のセンターであり、地方自治行政の機関です。ことばをかえて言えば、市民のみなさんの生活をまもり、よりよい市民生活が営なめるようにサーヒスを提供することのできる機関です。
地方自治法は、わたしたちに対し、民主的にして能率的な行政を要請していますが、市庁舎というものはそのための「場」であります。単なる行政的な「事務所」ではなく、あたたかい人間的な「相万理解の場」でなければなりません。しかも、地方自治行政は、住民自らが協同しておさめていくものですから、市庁舎はそのための「自治の府」でなければならないでしょう。
わたしは、市庁舎をそのように考え、位置づけて、自治行政の府としての理想が実現できるように設計などに苦心しましたが、完成した現在、ほぼこの理想は実現し得たと信じています。いままで、旧庁舎で市民のみなさんにいろいろとご不便をおかけしたことをおわびすると同時に、こんどこそ、市民のみなさんに「自分の家」として十分にこ利用いただくように考えていただきたいと申しあげることができると思います。
新庁舎建設については、財政的には総額にして約6億円を要しましたが、こんごの民主的にして能率的な行政を保障しえるとすれば、この投資は将来とも大きな財産になって返ってくると革新しています。
場所もほぼ市の中心地であり、来庁する市民のみなさんにご不便をおかけすることはないと思います。また、できるかぎり保存した緑の環境は、忙しい市民のみなさんの心にやすらぎをもたらすことでしょう。
新庁舎の完成にあたり、ご報告をかね、市民のみなさんに一言ごあいさつを申しあげるしだいてあります。

市民福祉の拠点として 市議会議長 大山福男

存望の新庁舎が東石川の一角に完成し、いよいよ6月1日から開所されることは、よろこびにたえない次第であります。
おもえば市制施行以来15年の間、躍進の一途をたどり、「田園工都建設」から「工業都市」への現在に至るまでう余油折を経て、首都圏の市街化区域の指定、工業団地造成により十数企業の進出の結果、人口の増加も一印市政施行当時の二倍になんなんとしております。
また時代の要請に応ずる行政需要も複雑多岐にわたり、現在の市庁舎も弥縫的に修理改造を行ないつつ対処してきたわけてすが、議会としては市庁舎の建設よりも市民に直接関係する諸施設を優先的に実施する方針でまいりました。
しかし、各小学校の増改築や幹線市道の舗装などがおおむねめどがついた現時点においては、市庁舎を建設し、市民サービスの向上をはかることは当然であり、議会としてもこれらの時代のすう勢を理解し、満場一致で賛同して来たわけてす。
市庁舎は何といっても、6万市民の象徴であり、名実ともに市民福祉の拠点です。この観点から、市庁舎の位置、規模などについて慎重に建設への努力を続けてまいりましたが、市民のみなさんの英知と良識によるご支援のなかで、この理想が実現しました。近代建築の粋を集めた立派な市政の殿堂が完成したのであります。二転三転と場所が変わって来た議場も、立派な議事堂のなかに設けられ、こんごは市民のための十分な審議を保障してくれるわけです。
わたしは、この市庁舎先成を迎えるにあたり、心から市の発展と市民の福祉を増進するため、議会の立場から積極的に努力してまいりたいと思います。

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